色々考えさせられた本

図書館に予約してから半年、忘れた頃に順番が来た本「解毒」。ある宗教から脱出した方の手記。

最近の悲惨な侵攻のニュースを見ていると、真相がどこにあるのか、自分が得ている情報が正しいのか否かがモヤモヤする日々。そんな時に読めたのがとてもラッキーだった。宗教に限らず自分の見ている世界について考え始めるきっかけになったから。当たり前だが、自分が見てきた世界こそが今の自分の価値観を創り出している。ただでさえそれはそれほど広い世界とは言えないし、年齢を重ねるにつれ視野はどんどん狭まっていると感じる。

家族について、結婚について、離婚について、初めて深く考えた。今まであまり考えることがなかった自分はとても運が良かったのかも知れない。

とは言え、自分自身も随分と根拠のない思い込みや、本心とは違う行動も多かったと思う。最終章「自立」のところのカウンセラーの三森先生の解説がどれもとても印象的。

心を整理する時の助けになりそうなので、記録しておく。

「解毒」坂根真美著 発行株式会社角川

p274から

「すべての人に誠実さを求めていたら日が暮れる。すべての人間関係が「真剣」あるいは「誠実」でなくても良い。暇つぶしのための関係もワンサカある。人間関係を終わらせることに慣れる必要がある。世の中には多少、汚いこともある。人を利用することもあれば、利用されることもある。そもそも、人間の本性は、そんなに綺麗なものではない。」