薄い壁

2021/12/21(火)

今年は雪が多いなぁ。街の中心部でこんなに雪見るのって本当初めてな気がする。

でもひとつ気付いた。今の雪道を歩く時の集中力、こう言うのが多分瞑想状態に近いはず。一瞬でも気を抜くと絶対に転ぶ。

今夜はNHKBSでアナザーストーリーズを見た。1995年3月東京の地下鉄で起こった痛ましい事件に関わった人々を3つ視点から取材したもの。沢山の患者さんを受け入れたお医者さん。見えない敵に立ち向かう陸上自衛隊連隊長。そして死刑になるまでの20年間実行犯と向き合った教授。全てが貴重な証言で、改めて事件の悲惨さを知ると同時にあれはいったいなんだったのかと言う疑問が湧いてくる。特に20年間実行犯と向き合った先生の言葉はとても重い。

先生は証言台に立った時に思ったそうだ。

「被告人席と証人席に着いているのが彼(実行犯)と自分で逆になったって不思議じゃない。それくらい脆弱な壁、極めて薄い壁」だと。

時間の経過とともに事件を知る人はどんどん減っていく。そんななかでも、事件からの学びをやめずに向き合い続けている方々の勇敢な生き方に心が揺さぶられる素晴らしい番組だった。